
炭酸ガスレーザーとは
炭酸ガスレーザーは、ガスレーザーの一種で、機体の二酸化炭素を媒質にして、赤外線領域の連続波や高出力なパルス波を得るレーザーのことです。
電子が衝突することで、窒素分子の振動が激しくなり、その振動準位は窒素が等核分子であるために準安定で長時間持続します。
窒素と二酸化炭素の分子が衝突すると、エネルギー交換が行われ、どちらも振動準位が高くなります。その領域が反転分布に達すると、わずかな光子の通過や衝突で誘導放出が連続的に発生しレーザー発光となります。
一般的に、ガスレーザーはエネルギー効率が悪いのですが、炭酸ガスレーザーは、例外的にエネルギー効率が良好と言われています。
高出力が可能なため、産業分野や出力波長が水に吸収されやすいことから、外科手術などにも、レーザーメスなどで用いられます。
皮膚治療での炭酸ガスレーザー
主に、5㎜以下のほくろやいぼが隆起している場合に使用されます。
炭酸ガスレーザーは、照射するとほとんど、皮膚組織内の水分に吸収されてしまい、一瞬にして熱エネルギーに転換されるという性質があります。
細胞内の水と反応して熱エネルギーが発生し、患部に照射すると瞬間的に幹部の組織を蒸散及び、蒸発により浅く削ること、深く掘ること、切開するこができます
この時、周辺の血管は熱凝固作用で一瞬のうちに固まるので、出血はほとんどありません。
炭酸ガスレーザーの蒸散作用は皮膚の表面に限られ、深いところまで至らないので、患部の治癒も比較的早いようです。
電気メスに比べると、出血が少なく、皮膚のごく薄い層でも切徐できるので傷の治りも早いという利点があります。
局所麻酔をするので、痛みもありません。
照射後の数日間は、治療部位が徐々にかさぶたになりその下に新しい皮膚ができてきます。
個人差はあるものの、1~2週間でかさぶたが自然に取れて治ります。
新しい皮膚は、数か月赤みを帯びていますから、その間は日焼けをしないように絆創膏などでカバーします。